あ、白い大きな花が咲いているよ!
この植物は、どんな植物?
こんな疑問に答えます。
写真の植物は、イチリンソウ。
イチリンソウの属するキンポウゲ科は、大きくて目立つ花をつけるものが多いグループですが、イチリンソウは特に大型の花を咲かせます。
春の季節、林の中で咲いている存在感のある植物なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な動植物に出会ってきました。
そんな生き物好きの僕が、イチリンソウの特徴と魅力を紹介します。
イチリンソウの大きな花
イチリンソウは「キンポウゲ科」というグループに属する植物です。
キンポウゲ科の仲間は大きくて目立つ花をつけるものが多いのですが、その中でもイチリンソウの花は特に大きく、存在感があります。
大きな花をつけるイチリンソウ
その大きさはというと、直径3〜4cmほど。
同じ時期に花を咲かせる似た姿の仲間では、とりわけ大きな花をつける植物なのです。
ちなみに「一輪草」の名前は、1つの茎から1輪の花を咲かせることが由来です。
同じキンポウゲ科のニリンソウは名前に反して1〜3輪の花をつけますが、イチリンソウでは1輪のみのようです。
なお、イチリンソウの白い花びらのように見える部分は、正確にはがく片で、実は花びらではありません。
アジサイもがく辺を目立たせて花粉を運んでくれる虫を誘引したりしますが、ニリンソウも同様に自身を目立たせる工夫なのかもしれませんね。
また、この花が咲くのは4〜5月頃で、春にしか花を咲かせないことから「スプリング・エフェメラル」と呼ばれる植物でもあります。
イチリンソウの葉
キンポウゲ科の仲間は、切れ込みの入った葉をつけるものが多いのも特徴的です。
イチリンソウの葉も大きく切れ込みが入っており、よく似たニリンソウとの見分けポイントにもなります。
イチリンソウの葉
植物の葉の形というのも、なかなか不思議がいっぱいです。
例えば「クワ(桑)」は、若い木の頃は切れ込みが多いのが、老木になると切れ込みがなくなったりします。
「ヒイラギ」も、若い木はトゲトゲした葉をつけているのが、老木になると丸くなります。
また「エイザンスミレ」では、春には細くて切れ込みが多い葉なのに、夏になると切れ込みがなくなったりします。
色々な葉の形がある理由としては、
・光合成の効率
・風を受けにくくする
などが考えられるようですが、まだ分かっていないことが多いようです。
イチリンソウの葉の形に関して、個人的には、春や秋に切れ込みの多い葉をつける植物が多いように思うので、日照時間は大きく関連があるのかなーと思っています。
今後の研究で、色々と解明されていくかもしれませんね。
あなたもぜひ、イチリンソウの葉の形について考えてみてください。
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イチリンソウとニリンソウ
イチリンソウは湿った場所が好きで、水辺や水気のある林などでよく見られます。
先ほどから何度か紹介していますが、イチリンソウと同じ属でよく似た植物に「ニリンソウ」があります。
ニリンソウ
ニリンソウは2輪の花がつくことが名前の由来ですが、つく数は1〜3輪と幅があります。
ニリンソウの花はイチリンソウと比べると小さく、かわいらしいイメージです。
イチリンソウはニリンソウと同時期に花を咲かせ、好む場所も似ているので、イチリンソウとニリンソウが隣り合って花を咲かせていることもよくあります。
両者の見分けポイントは、花の数のほか、
・イチリンソウの方が葉の切れ込みがたくさんある
・ニリンソウの葉には白い斑点がある
などです。
もし同時に出会えたら、このあたりを見比べてみてください。
おわりに:イチリンソウを観察してみよう!
イチリンソウは大きな花を咲かせるので、林の中で咲いているとよく目立ちます。
イチリンソウが花を咲かせる時期の散歩は非常に気持ちが良いので、林や森に出かけたら、ぜひイチリンソウを探してじっくりと観察してみてください!
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