あ、きれいなシジミチョウを見つけたよ!
初夏にカラフルなシジミチョウを見ることが多い気がするけど、何でかな?
こんな疑問にお答えします。
写真のチョウは、「ゼフィルス」と呼ばれるチョウの仲間。
ゼフィルスとは、初夏限定で見られるシジミチョウたちです。
ゼフィルスは写真のフジミドリシジミのように、美しく華やかな姿を持つ物が多く、虫好きの間でも人気のチョウたちなのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ゼフィルスの魅力と種類を紹介します。
ゼフィルスとは
ゼフィルスは「チョウ目シジミチョウ科」というグループに属し、特に初夏の季節限定で見られるシジミチョウの仲間です。
ゼフィルスとはなんだか変わった呼び方ですが、その語源は以下のようです。
シジミチョウ科の中のミドリシジミなどの一群は「ゼフィルス」と呼ばれています。ゼフィルスとはギリシャ神話の西風の精ゼフィロスが語源で「そよ風の精」の意味があるそうです。
初夏というと、暑くもなく寒くもない季節であり、「そよ風」を受けながらの生き物観察は実に気持ちが良いです。
ゼフィルスとは、そんな良い季節に出会えるチョウたちなのです。
ゼフィルスは華やかなシジミチョウたち
ゼフィルスは昆虫好きの人にとって、特に人気のあるチョウでもあります。
というのも、ゼフィルスの仲間は美しく華やかな姿を持つ物が多いのです。
例えばミドリシジミの仲間は、はねを広げると見える輝く緑色が美しいです。
緑色のはねが美しいミドリシジミの仲間(写真はフジミドリシジミ)
また、ウラナミアカシジミは黄色の地に黒い斑点が入ったはねを持つ、カラフルでかわいい種です。
カラフルなはねを持つウラナミアカシジミ
このような華やかな姿に加えて、「特定の季節のみ出現」という限定感も相まって、非常に人気が高いチョウたちなのです。
一方、ゼフィルスが見られる季節というのは梅雨時期に重なることが多く、天気に恵まれない日も多いです。
しかし彼らを見られるのはこの時期のみと思えば、観察のため積極的に外に出かけたくなるもの。
実際、この時期の林内では、ゼフィルス目当てらしきカメラマンを見ることも多いです。
このように、ゼフィルスは人を外に連れ出すほどの魅力に溢れるチョウたちなのです!
ゼフィルスの種類
日本で見られるゼフィルスは25種いるようですが、一部地域でしか見られなかったり、山地性のものもいます。
ここでは、低地でも見られる代表的なゼフィルスの一部を紹介します。
ミドリシジミ
ゼフィルスの中でも特に人気なのが、この種を含む「○○ミドリシジミ」たちです。
というのも、その名の通りはねをひらくと”美しく輝く緑色の姿”が見られるためです。
ただし、はねをひらいて表ばねを見せてくれるチャンスはあまり多くはありません。
そのため、美しいはねを撮影するには、運と忍耐力が必要になるでしょう。
ウラナミアカシジミ
黄色の地に黒い斑点が入ったはねが特徴的なシジミチョウ。
はねをひらいた時に見える「表ばね」も、全面オレンジできれいです。
ゼフィルスの中でも、特にカラフルで華やかな種です。
アカシジミ
ウラナミアカシジミと名前が似ていますが、裏ばねの印象は結構違います。
しかし、ウラナミアカシジミ同様、表ばねはほとんどがオレンジ色であり、カラフルです。
生息環境もウラナミアカシジミと似ており、同時に見られることも多いです。
ミズイロオナガシジミ
墨で描いたような黒い線が特徴的な種です。
他のゼフィルスと比べるとカラフルさは弱く、はねをひらいても派手な輝きはありません。
逆にその落ち着いた雰囲気こそがこの種の魅力でもあると思います。
ウラゴマダラシジミ
はねを閉じた姿は、一見ゼフィルスではないシジミチョウである「ルリシジミ」などに見えます。(チョウに詳しくなければ違いは分からないかもしれません)
ただし、この種も表ばねに特徴があり、はねを開くと美しく輝くライトブルーが見られます。
ゼフィルスと同じ分類に属する虫たち
ゼフィルスはチョウ目シジミチョウ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[チョウ目]
鱗翅目(チョウ目)の昆虫まとめ|はねに鱗粉を持つ虫たち
▼
[シジミチョウ科]
シジミチョウの種類と魅力|シジミ貝のようなはねを持つかわいい蝶たち
おわりに:ゼフィルスを観察してみよう!
ゼフィルスは、初夏限定で見られる華やかなシジミチョウたちです。
もし運よく彼らに出会うことができたら、優しくじっくりと観察してみてください!
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