森でクワガタを探し!コクワガタがいた。
でも、ノコギリクワガタの方が嬉しかったなあ。
夏の人気昆虫、クワガタムシ。
クワガタ探しに行くと最もよく見つかるクワガタムシが、コクワガタ。
他のクワガタと比べて比較的小型で、出会う頻度が最も高いためか、その評価は低めで「小物扱い」を受けがちなクワガタです。
かくいう僕も、大人になって自然観察をするまでは「小物」のイメージを持っていました。
ところがコクワガタのことをよく知ると、彼らはとっても魅力的な昆虫。
全く小物などではなく、むしろ"最強のクワガタムシ"とも言えるのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、コクワガタの特徴と魅力を紹介します。
コクワガタは小物ではない!
コクワガタは「小物扱い」を受けがちなクワガタですが、彼らは大きな魅力を持つ昆虫です。
彼らが小物でない理由を
・アゴ
の2つの観点から説明します。
サイズは決して小さくない
コクワガタを小物と感じてしまう大きな理由の1つが、「サイズ」でしょう。
ノコギリクワガタやミヤマクワガタ、ヒラタクワガタのような他のクワガタたちと比べると、確かに体の小さなものが多いです。
しかし、クワガタの仲間(特にオス)は個体によって体の大きさが大きく異なることが多い。
コクワガタもその例に漏れず、手持ちの図鑑によるとオスのサイズは17〜54mm。
なんと、同じ種でも個体によって”3倍もの大きさの差がある”のです。
大型のコクワガタとなると50mmを超え、中型のノコギリクワガタと同等のサイズです。
大型のコクワガタ
他の昆虫とも比較してみます。
以下はサイズも大きめで存在感の強いゴマダラカミキリ。
身近な様々な樹木につくのと、その存在感で目につきやすいカミキリムシです。
様々な樹木につくゴマダラカミキリ
このゴマダラカミキリの大きさは、25〜35mm。
ということは、大型のコクワガタとなると、ゴマダラカミキリの1.5〜2倍ものサイズ。
そんなサイズとなると、小物どころか、むしろ「大物」の部類に入るのではないでしょうか。
アゴの形が変化する
クワガタの仲間は、個体によってアゴの形が変化するものも多いです。
コクワガタも同様にアゴの形が複数パターンがあります。
例えば、以下は小型のコクワガタ。
小型のコクワガタ
アゴは短く、アゴの内側に歯はありません。
小型のアゴを持つものは、体のサイズも小さいことが多い。
写真の左側に見切れているのはメスですが、メスと同じくらいのサイズです。
ちなみにクワガタのメスのアゴは小さく、コクワガタのメスは以下のような姿をしています。
コクワガタのメス
話が少しずれましたが、次は大型のコクワガタ。
その姿は以下の通り。
大型のコクワガタ
他の大型クワガタに負けないくらい立派なアゴを持っています。
小型のものと同じ種とは思えないくらい違いますよね。
このように、コクワガタは大型のものになると小物感などなく、むしろ大物感さえある昆虫なのです!
コクワガタは最も繁栄しているクワガタ
コクワガタが低く評価されがちなのは、「よく見られること」も大きな原因でしょう。
コクワガタの生息範囲は広く、日本全国で見られるほか、平地〜かなり標高の高い山まで見られます。
見方を変えると、コクワガタは他のクワガタムシに比べて環境適応能力が高いとも言えます。
その結果、コクワガタは最も繁栄しているクワガタとなっており、種としての生存能力で言うと「日本最強のクワガタ」と考えることもできるでしょう。
最も繁栄しているとも言えるコクワガタ
生き物の価値は「希少さ」では測れません。
身近に見られる生き物にも、大きな魅力やすごい能力を持っているものはたくさんいます。
珍しい虫だけでなく、身近な場所でも見られるコクワガタの能力や習性にも、ぜひ注目してみてください!
コクワガタと同じ分類に属する虫たち
コクワガタはコウチュウ目クワガタムシ科に属する虫。同じ分類の虫たちを以下で紹介しています。
[コウチュウ目]
甲虫目(コウチュウ目)の昆虫まとめ|頑丈なはねを持つ昆虫最大のグループ
▼
[クワガタムシ科]
クワガタムシの種類と魅力|かっこいい大アゴを持つ虫たち。アゴの変化も面白い
おわりに:身近に見られるけどすごい生き物はたくさんいる!
コクワガタは最も身近なクワガタですが、とってもすごい能力や魅力を持つ昆虫でした。
同様に、「身近に見られるけどすごい虫」は身の回りにたくさんいます。
僕らの身近に見られる虫たちのすごい能力や習性は、著書「弱虫の生きざま」でも紹介していますので、こちらもぜひご覧ください!
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