ヨシの上にかわいい鳥がいるよ!
この鳥は、どんな鳥?
こんな疑問にお答えします。
写真の植物は、オオジュリン。
湿地で野鳥観察していると、ヨシの上を忙しなく移動しているのをよく見ます。
オオジュリンが属するホオジロ科の鳥は、夏羽になると特に"顔"が特徴的な姿になるものが多いです。
このオオジュリンも例に漏れず、夏羽になると「真っ黒な顔」になる鳥なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な野鳥に出会ってきました。
そんな鳥好きの僕が、オオジュリンの特徴と魅力を紹介します。
オオジュリンはヨシ原でよく出会う鳥
オオジュリンは「スズメ目ホオジロ科」というグループに属する鳥です。
オオジュリンは夏は東北以北の草原や湿原で過ごしますが、冬は本州以南に移動して越冬します。
このうち越冬中に過ごす場所が特徴的で…
それはどこかと言うと「ヨシ原」です。
ヨシの上下、もしくはヨシからヨシへと忙しなく移動したり、ヨシをつついている場面によく出会います。
冬のヨシ原で出会うことの多いオオジュリン
彼らがヨシで何をしているかというと、ヨシの茎の中にいる越冬中の虫などを食べているのですね。
冬のヨシ原にはシジュウカラやアオジなど他の鳥がいることもありますが、主に彼らに出会う場所はヨシ原ではありません。
一方でオオジュリンに出会うのはほとんどの場合ヨシであり、色々な環境がある中で何故かヨシ原を選んでいるようです。
オオジュリンの夏の姿
先ほど紹介したオオジュリンの姿は全体的に茶色でしたが、あれは冬の姿。
オオジュリンは冬羽ではオスもメスも似た姿をしているのですが、実はオスの場合、夏羽になると大きく姿が変わるのです。
その姿が、こちら。
夏羽のオオジュリン(オス)
"黒い頭"がとってもユニークですよね。
オオジュリンが属するホオジロ科の鳥は、夏羽になると顔が特徴的な姿になるものが多い。
オオジュリンも同様に、顔部分が大きく変化するのです。
この頭は早春頃から徐々に黒くなり始め、初夏にかけて真っ黒になっていきます。
そのため越冬中の場所でも、繁殖地に戻る直前の時期などであれば、ある程度黒くなった頭を観察できることがあります。
換羽中のオオジュリン
彼らが繁殖地に戻る前に、ユニークな黒い頭の観察にぜひチャレンジしてみてください!
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オオジュリンの名前と夏の生活
ところでオオジュリンという名前を聞いて、「大樹林」という漢字をイメージしませんでしたか?
というのも、僕は最初そのように思っていて、森林性の鳥だと思っていました。
しかし北海道に行って初めてオオジュリンに出会った場所は「湿原」でした。
その後北海道を探索中、何度かオオジュリンに出会ったのですが、どの場所も樹林感は感じられませんでした…。
なぜそういう結果になったのかというと、実はオオジュリンの本当の漢字は「大寿林」。
その名前の由来は"「ジュリーン」という鳴き声"なのです。
つまり、生息環境と名前の関連はないわけだったのです。
ちなみに、越冬中のオオジュリンは主にヨシ原で出会いますが、夏は草原や湿原でよく出会います。
湿原のオオジュリン
なので、湿生花園の花の上に止まっていたりして、越冬中の姿とはまた違った出会いを提供してくれます。
オオジュリンは、季節に応じた生活の違いにも注目です!
オオジュリンと同じ分類に属する鳥たち
オオジュリンはスズメ目ホオジロ科に属する鳥。同じ分類の鳥たちを以下で紹介しています。
[スズメ目]
スズメ目の野鳥まとめ|美しい声を持つ鳥類最大のグループ
▼
[ホオジロ科]
ホオジロ科の野鳥の種類と特徴|オスの頭部が個性的!サングラスから白黒頭まで
おわりに:オオジュリンを観察してみよう!
オオジュリンは、冬のヨシ原で定番の鳥です。
ただ今回紹介した通り、夏は生活スタイルが少し違い、冬とは異なる一面を見ることができます。
機会があればぜひ、夏の東北や北海道に行って、オオジュリンの夏の姿を観察してみてください!
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