すっごい派手な毛虫がいるよ!
この毛虫って、毒があるの?
こんな疑問にお答えします。
写真の毛虫は「ドクガ科」というグループに含まれる蛾の幼虫です。
「毒蛾」というといかにも危険なグループに思いますが、実は皆が毒を持っているわけではありません。
むしろ毒を持つのは、ドクガ科のグループの中でも少数派なのです!
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、ドクガ科の昆虫の魅力と種類を紹介します。
ドクガ科の昆虫の特徴と魅力
ドクガ科は「チョウ目」というグループに属する昆虫たちです。
ドクガ(毒蛾)は毒を持つ危険な虫たち?
「ドクガ」は漢字で書くと「毒蛾」。
この名前の通り、ドクガ、チャドクガなどの種については実際に毒を持っています。
特にチャドクガは毒針毛(どくしんもう)を飛ばす習性があるため、毛虫に触れた記憶がなくてもチャドクガの行動範囲に行くことで皮膚がかぶれることもあります。
毒を持つチャドクガの幼虫
このような話を読むといかにも危険なグループに思いますが、実はドクガ科に含まれる蛾たちは皆が毒を持っているわけではありません。
むしろドクガ科のグループの中でも毒を持つのは少数派で、多くは無毒なのです。
ただ一方で、ドクガ科ならではの毒に関する特徴もあります。
それは、”成虫にも毒を持つものがいる”こと。
毒を持つ蛾のグループにはイラガ科やカレハガ科、マダラガ科などがありますが、成虫になっても毒があるものはドクガ科のみなのです。
成虫になっても毒を持つチャドクガ
ちなみにドクガの仲間は毒針毛を持つタイプですが、例えばマダラガの仲間は危険を感じると毒のある分泌液を出すタイプだったりして、グループごとに戦略や毒の使い方が違うことがあります。
このように毒を持つ蛾といっても、グループや種ごとに多様な特徴があるのも面白い点なのです。
多彩な姿を持つドクガの幼虫たち
ドクガ科の幼虫たちは"派手な姿"を持つものも多いです。
長い毛を持っていたり、黒字に赤や黄色の配色をしていたり、いかにも毒々しい印象なのです。
ドクガの幼虫
ただ先述した通り、毒を持つものはドクガ科の中でも一部のもののみ。
例えば、以下のリンゴドクガは真っ黄色の鮮やかな姿を持ちますが、毒は持っていません。
毒を持たないリンゴドクガの幼虫
むしろリンゴドクガのように派手な姿のものほど、毒を持たなかったりすることも多いです笑
時に大発生する幼虫たち
ドクガ科の幼虫には、時に大発生するものもいます。
例えば、キアシドクガやマイマイガなど。
キアシドクガの幼虫
マイマイガの幼虫
彼らはいずれも毒は持ちません。(ただしマイマイガは、1齢幼虫の時のみ毒針毛を持つ)
しかし上記の通り大発生して人目につきやすいことから、「毛虫といえばこの虫」というイメージを持つ人も多いでしょう。
蛾の幼虫の姿を見てその名前が言える種は決して多くないですから、彼らは人間界においては有名人ならぬ有名虫たちと言えるでしょう。
もし見つけたら、ドクガの特徴を考えながら改めてじっくりと観察してみてください!
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ドクガ科の昆虫の種類
■ キアシドクガ
■ マイマイガ
■ チャドクガ
■ ドクガ
■ リンゴドクガ
毒を持つ虫・人を刺す虫についてもっと知る
虫を楽しむためには、安全に観察することも大事です。
中には毒を持つ虫や人を刺す虫もいますが、彼らの生態や行動を知っていれば、ほとんどの場合の危険を回避することができますよ!
おわりに:ドクガ科の昆虫を観察してみよう!
ドクガ科の仲間は名前から敬遠されがちですが、その多様で奇抜な姿は観察していてとても面白いです。
身近な場所にもさまざまなドクガの仲間が生活しているので、ぜひ探して観察してみてください!
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