ネイチャーエンジニア いきものブログ

虫・鳥などの動植物の魅力や知識など、自然観察をもっと楽しむための情報を発信します。

擬態(ぎたい)の意味と種類。実は奥が深い「化ける」能力を解説

擬態の意味と種類

あなたは「擬態(ぎたい)」という言葉を知っていますか?

 

色々な場面で使われるので、言葉自体は聞いたことがあると思います。

 

擬態とは、「何かに似せる」という意味です。

 

何だかざっくりした言い方だなー

 

と思うかもしれません。

 

でも、「擬態」という言葉だけではこうとしか言えないんです。

 

なぜなら、

  • 「何を」似せるのか?
  • 「何に」似せるのか?
  • 「何のために」似せるのか?

 

は、「擬態の種類」によって違うからです。

 

僕はネイチャーエンジニアの亀田です。

 

年間100回以上生き物探しをし、3,000種以上の動植物に出会ってきました。

 

今回は、僕が出会ってきた生き物たちを例にしながら、「擬態」の面白さを紹介します。

 

 

 

 

擬態の意味と種類

f:id:kkamedev:20180807161123j:plain

冒頭でお伝えした通り、擬態は「何かに似せる」という意味です。

 

擬態の仕方によって、

  • 「何を」似せるのか?
  • 「何に」似せるのか?
  • 「何のために」似せるのか?

 

が変わってきます。

 

代表的な擬態の種類は以下。

  • ペッカム型擬態
  • 隠蔽型擬態
  • ミュラー型擬態
  • ベイツ型擬態
  • 化学擬態

 

これらの擬態について、例を挙げながら紹介していきます。

 

ペッカム型擬態

別名「攻撃型擬態」とも言います。

 

これは、「主に肉食動物が、獲物に気付かれないように化ける」擬態です。

 

目的は、「獲物を仕留めること」。

 

多くの擬態は、身を守る目的で行うことが多いのですが、この擬態は獲物捕獲が目的であるゆえに「攻撃型」の名前がついています。

 

この擬態を使う生き物の例は、カマキリです。

 

オオカマキリ

オオカマキリ

 

この草に似た姿は、身を守るためではなく、獲物に気付かれないようにするためのものなんですね。

 

※攻撃型として紹介していますが、実際は身を守るのにも役立っていると思います

 

だからカマキリの戦術は、基本的に「待ち伏せ」です。

 

獲物が自分に気付かず、近くを通ったところを一気に襲って仕留めます。

 

隠蔽型擬態 

こちらは最もポピュラーな擬態。

 

自分の姿を、生活環境や背景に似せる」擬態です。

 

目的は、「天敵に自分の存在を知らせないようにして、身を守ること」。

 

この擬態を使う生き物は非常にたくさんいます。

 

例えば、ショウリョウバッタ

 

ショウリョウバッタ 

ショウリョウバッタ

 

自分の生息する草に擬態して、敵に見つからりづらくしています。

 

緑色の姿のものと、茶色い姿の者がいますが、それも生息環境に応じた擬態の方法ですね。

 

ショウリョウバッタは国内最大級の大きさのバッタですが、草むらの中に潜り込むと意外と見つかりません

 

ミュラー型擬態

毒を持つなど、相手にとって危険な能力を持つ者同士が姿を似せる」擬態です。

 

目的は、「天敵に自分が危険だということを知らせて、身を守ること」。

 

警告色」というのはこの種類の擬態を使った特性です。

 

この擬態を使う生き物は、スズメバチ

 

オオスズメバチ

オオスズメバチ

以下は別種のコガタスズメバチ。

 

コガタスズメバチ

コガタスズメバチ

こんな感じに、スズメバチってみんな黒とオレンジの色をしています。

 

これは、「この色の組み合わせは危険だから、近づくと危ないぞ!」と敵に言っているわけです。

 

スズメバチって攻撃力も高いし、すごく獰猛に見えますが、実際攻撃する前には警戒音というのを鳴らすし、結構慎重派な気がします。

 

スズメバチについて、もっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

 

ベイツ型擬態

自分の姿を、毒を持つような強い生き物に似せる」擬態です。

 

目的は、「天敵に自分が危険だということを知らせて、身を守ること」。

 

ミュラー型擬態との違いは、「自分自身は強くないこと」 。

 

要はハッタリをかましている、ということです。

 

この擬態を使う生き物には、ある制限がかかります。

 

それは、自分たちの個体数を増やせない、ということ。

 

毒を持っていない生き物の方が増えてしまうと、天敵が「この配色の生き物は安全だ」とポジティブな学習をしてしまい、擬態の効果がなくなってしまうからです。

 

この擬態を使う生き物の例は、キスジトラカミキリ

 

キスジトラカミキリ 

キスジトラカミキリ

こいつは何に姿を似せているかというと、「毒を持つハチ」です。 

 

もちろん、このカミキリには毒はありません。

 

さっきのスズメバチではなく、「ドロバチ」など別種のハチに似せていると思われます。

 

もう1種例を挙げます。

 

マツムラナガハナアブ

マツムラナガハナアブ

このアブも、「毒を持つハチ」に姿を似せていますね。 

 

このアブにも毒はありません。

 

個体数を増やせないという制限がある通り、あまり数は見かけないアブなので、見つけられたらラッキーです。

 

アブの魅力をもっと知りたい方はこちらの記事もどうぞ。

 

化学擬態 

こちらは「姿以外」で擬態するもの。

 

においなどの化学物質を分泌して、他の生き物に似せる」擬態です。

実はこれは定義が広いもので、攻撃する目的のものもあれば、身を守る目的のものもあります。

 

なぜ姿以外の擬態が存在するかというと、それは「視覚以外」に頼っている生き物がいるからです。

 

アリの場合は、視覚よりも「嗅覚=におい」を頼りに生活しています。

 

例えば、サムライアリという、他のアリの巣を襲って住み着くアリがいます。

 

クロヤマアリの巣が狙われたとします。

 

巣が奪われた後、なぜかクロヤマアリは奴隷のようにサムライアリにえさを運んで奉仕を続けます。

 

それは、サムライアリがクロヤマアリの分泌する「におい」を真似て、仲間だと思わせているのです。

 

クロヤマアリは無理やりこき使われているというよりは、仲間だと思ってえさを運んでいるのです

 

おわりに

  • 擬態の意味
  • 擬態の種類とその例

について紹介しました。

 

身の回りには、何らかの擬態を使っている生き物が非常にたくさんいます。

 

外で生き物を見つけたら、「この生き物は何の擬態を使っているのか」と考えると面白いかもしれませんよ。

 

合わせて以下の記事もどうぞ↓

いろんな虫の魅力を知りたい!

「かわいい・きれい・かっこいい」虫を知ろう!魅力的な昆虫まとめ

虫の名前を知りたい!

見つけた虫を識別したい!虫の名前を調べる3つの方法

 

では、また。