昆虫にはどんな種類がいるの?
昆虫がどう分類されているか知りたい!
こんな疑問に答えます。
※この記事では虫の識別については書いていません。
「虫の名前を知りたい」「識別をしたい」方は以下をどうぞ↓
昆虫は最も多い生物と言われ、日本だけでも約3万種います。
そんな膨大な種類の虫ですから、様々な特徴を元に決まったルールで分類され、グループ化されています。
しかし、それでもグループは数十種類あり、もはやグループの特徴を知るのさえ大変です。
そんなグループの特徴や魅力が一覧化されていると、便利だし楽しいですよね。
僕はネイチャーエンジニアの亀田です。
年間100回以上全国各地で生き物観察をし、様々な虫に出会ってきました。
そんな虫好きの僕が、昆虫の分類上のグループごとの特徴と面白い点、グループ内の代表種を紹介します。
昆虫の定義と分類のルール
具体的なグループを紹介する前に、
- 簡単な分類のルール
- 今回紹介するグループの単位
をお伝えします。
生き物の分類の階層分けには共通のルールがあります。
おおまかには、以下の階層になっています。
このルールは昆虫も同じで、昆虫は「昆虫綱」というグループに属する生物のことです。
例えばカブトムシなら、
綱:昆虫綱
目:甲虫目
科:コガネムシ科
種:カブトムシ
今回の記事で扱うのは、綱の下の「目」という単位のグループです。
本記事では「甲虫目」の特徴、「トンボ目」に含まれる虫、という感じに紹介していきます。
ちなみに昆虫と混同しがち虫たちがいますが、それらはこのルールによって判断されます。
例えばダンゴムシは、節足動物門に含まれますが、昆虫綱には含まれないので、昆虫ではありません。
昆虫の定義、生物分類について詳しくは以下の記事で解説しています↓
昆虫の分類(目)と代表種の紹介
イシノミ目
例1. イシノミの仲間
イシノミは原始的な昆虫で、シンプルな体を持っています。
まず、「はねがない」こと。
そして成長の仕方も原始的です。
変態を行わず、脱皮を繰り返して大きくなります。
確かに、よく見慣れた昆虫たちとダンゴムシの中間的な姿をしています。
昆虫の起源を感じられる虫ですね。
シミ目
※ すみません、写真がないので写真ゲットできたら掲載します。
シミは最も原始的な昆虫です。
イシノミと同じように、脱皮をして大きくなります。
体を魚のようにくねらせて走るため、漢字では「紙魚(シミ)」と書きます。
カゲロウ目
例1. チラカゲロウ
昆虫の中で最初にはねを持ったグループと言われています。
カゲロウというと、はかない言葉として使われますが、それは成虫になってからの寿命がとても短いためです。
羽化してから数時間しか生きれないものも多いです。
成虫の姿は、本当に「繁殖活動をするためだけ」のスーパーモードな姿なのです。
実際、川で大量に力尽きているのを見ると、応援したい気持ちになります。
トンボ目
例1. オオシオカラトンボ
例2. ハグロトンボ
トンボは肉食性の昆虫です。
他の昆虫類を狩るために、高い飛行能力を持ちます。
ただ、直線方向へはすごい速いスピードで移動できるのですが、旋回や進路変更などの複雑な動きは苦手です。
縄張り意識が強く、周囲を飛んでパトロールするものが多いです。
北海道の大きな湿原など、自然豊かな水辺には多くの種類が見られます。
夏〜秋の水辺をにぎやかにしてくれる虫です。
ガロアムシ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
カカトアルキ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
ハサミムシ目
例1. ヒゲジロハサミムシ
腹の先端のハサミが特徴の昆虫。
そのハサミは狩りや防衛用に使われます。
はねは「短い」、もしくは上のヒゲジロハサミムシのように「無い」です。
ハサミの長さや形が種類によって色々あります。
また、コブハサミムシという、昆虫には珍しく「子育て」する習性を持つものもいます。
カワゲラ目
例1. カワゲラの仲間
カワゲラは幼虫は水の中で過ごし、成虫になると陸で過ごします。
代表的な川虫ですが、前述したカゲロウの方が個体数は多くて見つかりやすいです。
なのでカワゲラの幼虫が出てきた時は、「おっ!」と嬉しくなります。
ただ、似た種が多くて識別は難しいです。
シロアリモドキ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
ジュズヒゲムシ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
ナナフシ目
例1. ナナフシモドキ
昆虫界では有名な擬態名人!
ナナフシはどの種も細長い体を持ち、葉や枝に擬態します。
ゆっくりどっしりと歩く姿が巨人感あります。
見つかると枝になりきってピタッと止まるところも可愛らしいです。
バッタ目
例1. ショウリョウバッタ
例2. エンマコオロギ
強靭なあしを持つ種が多く、ジャンプ力に優れます。
トノサマバッタなどは50〜100mほど飛翔することも。
コオロギやキリギリスなど、秋に鳴く虫の多くがこのグループに含まれるのも特徴です。
バッタ目の虫たちの魅力は、以下の記事をご覧ください↓
カマキリ目
例1. オオカマキリ
昆虫界最強のハンターの1種です。
その狩りの戦術は「待ち伏せ」。
カマキリの擬態は身を守るためではなく、狩りをするための擬態です。
人間に対しても威嚇してくるのには恐れいりますね。
その姿から「蟷螂(とうろう)の斧」という故事成語ができました。
蟷螂とはカマキリのこと。
虫の名前と由来については、以下の記事で紹介しています。
ゴキブリ目
例1. モリチャバネゴキブリ
例2. ヤマトシロアリ
ゴキブリのほか、シロアリも含まれるグループです。
どちらも嫌われがちな虫です。
しかし、
- ゴキブリは3億年前から生き残ってきた昆虫で、「生きた化石」と言われる
- シロアリは自然界では朽木や倒木に住んでいて、分解者として大事な役割を持っている
と、とっても偉大な虫たちなのです。
家の中で見られるような身近なゴキブリというのは、ほんの一部のみ。
実はゴキブリにも多様な種類がいて、イメージと異なる姿のものもいるのです。
ゴキブリの特徴や種類については、以下の記事で紹介しています。
チャタテムシ目
例1. ケチャタテの一種
障子などでお茶をたてる音を出すことが「チャタテムシ」の由来だそうです。
どの種も体が小さく、情報も少ないので識別は困難です。
でも、慣れてくると「これはチャタテムシっぽい」というのが分かってきます。
カメムシ目のヨコバイを、細長くスマートにしたイメージですかね。
シラミ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
アザミウマ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
カメムシ目
例1. チャバネアオカメムシ
例2. アブラゼミ
例3. ミドリグンバイウンカ
例4. アミガサハゴロモ(幼虫)
例5. セイタカアワダチソウヒゲナガアブラムシ
例6. ナミアメンボ
例をたくさん挙げたのからお分りいただけるかもしれませんが、カメムシ目はとても巨大なグループです。
- カメムシ
- セミ
- ヨコバイ
- ウンカ
- ツノゼミ
- アメンボ
など、姿も生活も幅広く様々な虫が含まれます。
あまり知られていない虫ですが、ヨコバイやウンカなんかはとってもユニークな姿をしています。
生息している場所も、草むら、樹木、水の中など様々!
公園に行くだけで何十種類も見つかりますよ!
カメムシ目の虫たちの魅力は、以下の記事をご覧ください↓
ハチ目
例1. オオスズメバチ
例2. セイヨウミツバチ
例3. ハラアカマルセイボウ
例4. ムネアカオオアリ
膜状のはねを持つのが特徴的なグループ。
種類によって産卵管が様々な変化を遂げているのも面白い特徴です。
例えば、
- スズメバチやミツバチ → 毒針にして武器に変化
- ヒメバチやコマユバチ → 他の生物に卵を産みつけて寄生するために長く変化
といった変化を遂げました。
社会性を持っている種も多く、戦略だったりコミュニケーション的な習性が見られるのも魅力です。
ハチ目の虫たちの魅力は、以下の記事をご覧ください↓
ちなみにこのグループ以降は、完全変態をするグループになっています。
アミメカゲロウ目
例1. ウスバカゲロウ
例2. クサカゲロウの一種
例3. ヘビトンボ
網状のはねを持つグループ。
紛らわしいですが、前述したカゲロウ目とは全く別物のグループです。
変態の仕方も異なり、カゲロウ目は不完全変態ですが、アミメカゲロウ目は完全変態します。
このグループは、幼虫が種によっていろんな姿や習性を持っているのも面白いです。
例で挙げた、クサカゲロウの幼虫はこちらで紹介しています。
コウチュウ目
例1. カブトムシ
例2. ヤマトタマムシ
例3. カシルリオトシブミ
硬いはねを持つグループです。
高い防御力を得た代わりに、飛翔能力を犠牲にしており、鈍い動きをする種も多いです。
ただ、カナブンのように飛翔方法を変えることで高い飛翔能力を得たものもいます。
カブトムシやクワガタ、タマムシなど人気の虫も多いです。
特に少年心をくすぐる「強そうでカッコいい虫」が多いんですよね。
コウチュウ目の虫たちの魅力は、以下の記事をご覧ください↓
ネジレバネ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
シリアゲムシ目
例1. ヤマトシリアゲ
尾の先端がサソリのように反り返る特徴を持つグループです。
ただ、サソリのような尾を持つのはオスだけです。
上で紹介したヤマトシリアゲは、春型と夏型というのがあって姿が違います。
そんな季節の違いが見られるのも面白いですね。
ノミ目
※ すみません、まだ見たことないグループです。いつか見つけてみせます!
ハエ目
例1. アカウシアブ
例2. オオハナアブ
例3. ミドリキンバエ
例4. ヒトスジシマカ
他の昆虫ははねが4枚ありますが、ハエ目には2枚しかありません。
残りの2枚はというと、平均棍(へいきんこん)という、マッチ棒のような形に変化しています。
これがバランスをとる役割を持つことで、アクロバティックな飛行ができるようになっているのです。
人間を刺す虫もいるので、嫌われがちなグループです。
でも、このグループは大きくで多様性があるので、ハエやアブにも様々な特徴や個性があります。
知ってみると、とっても面白い昆虫たちなんですよ。
ちなみに、アブとハエは以下の点で区別されます。
・アブ → さなぎが縦に開く(直縫短角群)
ところが、「ハエ」の仲間の「ハナアブ」がいたり、「アブ」の仲間の「アシナガバエ」がいたり、命名がやたらとややこしいグループでもあります。
ハエ目の虫たちの魅力は、以下の記事をご覧ください↓
チョウ目
例1. ナミアゲハ
例2. ヤマトシジミ
例3. キンモンガ
例4. ビロウドハマキ
鱗粉(りんぷん)のあるはねを持つグループ。
鱗粉ははねの模様や色を作ります。
模様でいうと、鱗粉で蛇の目模様などを作り、擬態することができます。
はねの色によって、体温調節をしやすくします。
- 暗い色のはね → 太陽の光を吸収しやすて体温を上げやすい
- 明るい色のはね → 太陽の光を逃し体温が上がり過ぎないようにする
また、鱗粉には、水をはじく役割もあります。
鱗粉は大事な役割を持っているんですね。
この鱗粉によって作られたはね模様がとにかく個性的。
蛾は一般的には嫌われ者の部類ですが、グループ内の95%は蛾です。
蝶と蛾の見分け方は以下の記事でどうぞ。
チョウ目の虫たちの魅力は、以下の記事をご覧ください↓
トビケラ目
例1. ヒゲナガカワトビケラ
はねが毛に覆われたグループです。
トビケラのほとんどの幼虫は水中で過ごします。
実は、幼虫によって作られる巣の形が種によって特徴的。
川の中でこんな面白い巣を作れるんだー、と感心します。
川に行ったら石をひっくり返して見て、いろんなカワゲラの幼虫を探すのも面白いですよ。
おわりに
昆虫は多様性があり、実に奥深いもの。
そんな彼らの魅力が、少しでも伝われば嬉しいです。
他の虫の紹介、虫ゲーム・アプリ、虫観察、用語解説などに関する記事はこちらから↓